農業を営んでいる方や、農業に関心がある方は一度は「CSA」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
CSAとは「Community Supported Agriculture」の略で、直訳すると「コミュニティ支援農場」となります。ここでは、日本のみならず世界で広まっている「コミュニティ支援農場」についてご紹介します。
農業の新しいカタチ、CSAってなに?
CSAはコミュニティ支援農場という新しい農業の形で、「農家が作って農家が売る」というものではなく、種の購入など、農業に係る生産コストを消費者側が受け持ち、生産者となる農家は生産した野菜などを消費者に分配するという仕組みのこと。
「地域で採れた野菜や穀物は地域で消費する」という地産地消や、地域コミュニティを活性化するという意味でもこのCSAは大きな役割を持っています。
また、CSAには「農業者主導型」「資金提供者(消費者)主導型」「農業者共同型」「農業者消費者共同型」と4つのタイプがあり、それぞれに特徴があります。特に、資金提供者があまり農場に関与しない農業者主導型が増えてきているようです。
CSAを導入するメリットは?
CSAを導入するメリットは大きく分けて、「生産者側」と「消費者側」の2つです。
生産者側のメリットは、多様な種類の作物を作れることや、消費者の反応がすぐに返ってくることで、生産や販売に関して改善できることが挙げられます。
消費者のメリットは、生産された新鮮な野菜が直接農家から届けられることや、CSAを通じて生産者を知り、安心して野菜などの作物を食べられることがあります。
さらには両者のコミュニティが強まることによって、地域の活性化が図られると共に、様々な相乗効果が生まれます。
農業だけではなく、様々な場面で見かけるようになった「地域コミュニティ」を軸とした取り組み。
農業においても、助け合いの精神の元。日本で生まれる野菜や作物を大切にしていくためにも、このような取り組みが必要になっていくのではないでしょうか。
地域社会で生産者と消費者のそれぞれにメリットがあるCSAは、今後みなさんの生活の中でよく見かけるようになる、そんな日も近いかもしれません。