「東京で農業?」そう疑問に感じた方も少なくないのではないでしょうか。しかし、現在多くの人々が本格的な農業体験に参加し、地域が一体となって盛り上がりを見せているんです。そこで今回は、東京都練馬区で注目を集めている農業体験農業について取り上げ、その魅力やメリットをご紹介します。
そもそも、農業体験農園とは?
東京都練馬区にある練馬区農業体験農園は、本格的な農業生産を体験できる農園です。利用者は、入園料と野菜収穫物代金を支払うことで、種まきや苗の植付けから収穫までを体験することが可能です。
一般的な市民農園には貸付け方式と農園利用方式があるものの、現在は貸付け方式が圧倒的に多いのが現状です。
しかし「有機農業で生産してみたい」「農家の指導のもとで本格的な農産物の生産と体験したい」といった近年の人々のニーズに応えるため、練馬区では農家自らが開設や管理をする農園利用方式を採用し、農家の指導の下で農業体験を行っています。
農園が地域住民のコミュニティーの中心となることで、都市住民が農業を理解し、農業者と同じ目線で一体となって活動しているのです。現在では平成8年4月に「緑と農の体験塾」が誕生して以来、17園が開設されています。
農業体験の実態&利用者の声
農業体験農園は、ただ単に農業の体験をするだけではありません。
農家が地域に古くから受け継がれてきた農法を直々に利用者に指導するため、農家と利用者の相互交流が自然に図られ、都市農業についての理解が深まります。
さらに、農家主催の収穫祭や料理教室、視察研修などに参加することによって利用者間の交流の輪が広がり、地方自治体の活性化にも繋がるのです。
実際に利用者にアンケート調査を行った結果によると、農業体験農園の利点は「自分で作った野菜が食べられる」「道具や肥料の準備が不要で手軽」「プロによる指導で失敗がない」「野菜に対する知識が豊富になる」「常に自然に触れられる喜び」などが挙げられています。
また、この農業体験農園は、先駆的な農業経営分類として平成21年に日本農業賞・集団組織の部を受賞するなど、全国的な注目を集めているんです。
今からでも間に合う?参加条件とは
全国農業体験農園協会によると、「農業体験農園は農作物を直接、1年を通して、全量買ってもらう契約栽培」と掲げており、農地所有者等が自ら行う農業経営の中で都市住民が長期に渡って農作業を実際に体験できるものとしています。
今年度(平成30年度)の参加要綱を見てみると、利用期間は平成30年の3月中旬から平成31年の1月末までと長期間になっており、それ以降の更新は園主との相談になっています。利用料金は平均で3万8,000円が入園料や収穫物代金で、練馬区に住民票がない方は5万円となっています。利用対象者の年齢は20歳以上と広範囲とされているので、様々な年齢の人々との交流が楽しめるでしょう。
残念ながら今年度の募集は修了していますが、一部の体験農園では二次募集を行っています。(こちらは一次募集をしていない方でも可能です。)今年の機会を逃してしまった方、またこの記事を読んで興味を持たれた方も、是非来年度を検討してみるのはいかがでしょうか。