東武東上線で乗り換えなしでいける最終地点にある、埼玉県小川町。
人口3万6千人の、この小さな町が実は有機農業のフロンティアであることを皆さんはご存知でしょうか。
小川町が有機農業で有名になったのには、ある一人の百姓の地道な努力が関係しています。今回はそんな小川町の秘密に迫っていきましょう。
有機農業のカリスマ金子美登さんが広げた『有機の心』
東京池袋から東武東上線に乗られること、約1時間。手漉き和紙で有名な、武蔵の小京都と言われる小さな町が埼玉県小川町です。
そんな小川町の下里地区に『霜里農場』という世界中から人が訪れる農場があります。農場主の金子美登さんは、日本の有機農業を代表する第一人者で、有吉佐和子さんの『複合汚染』にも登場しており、NHKのプロフェッショナルでも特集されたことのある方。
しかし、金子美登さんのここまでの道のりは決して平坦な道のりではありませんでした。40年以上前は有機農業への理解などほとんどなく、集落の人や、消費者の方との揉め事は絶えずにあり、精神的にもつらい日々だったそうです。
そんな中でも金子美登さんが一貫して持ち続けていたのが『有機の心』。今でいうオーガニックライフを形作るものだと思っていただいたら分かりやすいかもしれません。そんな金子美登さんのまっすぐな心が、集落全体を、そして町全体を変えていったのです。
有機栽培を通じて、人が変わり、地域が変わり、町が変わる
愚直に努力する金子美登さんの姿は、地域の農業のリーダーを動かすことになります。
その方の働きかけで、下里集落は集落の田んぼ全てを有機栽培に切り替えることに成功。加えて、地域の酒蔵が金子美登さんの有機米でお酒を造りはじめ、隣町の豆腐屋さんも下里集落の有機大豆で豆腐作りが始まりました。
この流れは小川町に人を呼び始めます。有機農業で独立を考える若者や、今でいうオーガニックライフを目指す人など、過疎化が進むこの時代に小川町には若者が移住してくるようになったのです。
こうしてオーガニックのコミュニティーが形成され、町全体でバイオマスに取り組む、都内でみかけるような若者中心のイベントが開催されるなど、現在の小川町は、地域の農産物が地場産業で消費され、家庭ごみもバイオマスとして再利用されるような、すべてが循環する町として生まれ変わりました。
都内ではない、本当のオーガニックの原点は地方にある
都内には確かに多くのオーガニックレストランがあり、様々なイベントも開催されています。しかし、オーガニックの原点というのは間違いなく地方にあるはずです。
地域の繋がり、風土を大切にする心。
小川町では魅力的なお店や魅力的なイベントも開催されていますので、是非あなたも有機の里小川町で『有機の心』に触れてみませんか。
<イベント情報はこちら>
霜里農場
http://www.shimosato-farm.com/
小川町オーガニックフェス
https://ogawaorganicfes.com/
有機野菜食堂 わらしべ
https://tabelog.com/saitama/A1105/A110605/11013655/
晴雲酒造
http://www.kumagaya.or.jp/~seiun/
豆腐工房わたなべ
http://www.11-12.co.jp/organic_osusume.html
べりカフェ つばさ・游
http://blog.goo.ne.jp/seikatukoubou_1953