最新技術が次々と投下される「農業」。アグリテックという言葉も、以前より使われるようになり、その領域は日々広がりを見せています。
そんな中、たとえ宇宙で暮らしていたとしても、地上で育てている作物の様子がわかるサービスが登場しました。
農地を宇宙から管理する、Digital Farmingとは?
「Digital Farming」という農業サポートサービスは、JAMSS(有人宇宙システム株式会社)が提供しています。
いろいろな露地栽培の農作物のデータと組み合わせることによって、農作物の育成状態の可視化し、それぞれの農作業の最適化、収穫量や収穫時期を予測することができます。
データは「衛星」を介して処理を行うため、処理・解析の時間も30分とあっという間に最新の情報を掴むことが可能。スマホにも対応しているので、衛星データを農地で確認することもできます。
さらに、同時に広い地域の情報が入手できるため、農地が広い場合や圃場が散らばっている場合は非常にメリットがあります。
例えば、北海道帯広市の周りの圃場の衛星データにおいて、濃い緑色のところは繁茂している作物であることが分かります。その後、約2ヵ月経った後は、全体の圃場が濃い緑色になっており、高い植生指数であることが分かります。
農作物の育成状態の場所ごとの違いを把握することによって、正確に水分や追肥のコントロールなどの見極めもでき、歩留まりや品質のアップも期待できるのです。
衛星を活用した、JAMSSの挑戦「SATELLITE FARMING SUPPORT」
今回紹介したサービスを提供するJAMSSは、民間の宇宙ビジネスの先駆者。これまで国際宇宙ステーションにも参画しており、2009年から農業サポートサービスを提供してきました。
特に、商業に衛星データを利用することを得意としており、農作物の育成状態を掴むために、地図や地上での気象の情報と衛星データを十二分に利用しています。
以前は、JAや海外の規模の大きな農場を持っている法人に提供するサービスでしたが、今後は一般の日本国内の農家に対するサービスとしても注力をしていきます。
この他にも、衛星を利用して、災害の地震などの監視、離島、山間部などの放送の受信を検討するなど、JAMSSは人々の暮らしを工夫と高い技術でより豊かにしているのです。
ここでは、農地を宇宙から管理することができる「Digital Farming」をご紹介しました。人工衛星と聞くと、まだまだ「天気予報」の印象が強いかもしれませんが、農業の分野での導入が進んでいます。
アグリテックと言われる分野の中でも、注目の「農業×宇宙」。ぜひみなさんも興味を持って見てはいかがでしょうか。