脱サラのきっかけは奥さんの一言?!
フォトジェニックすぎる《ふわふわ畑》って一体?!
十勝のフロンティア精神で世界へ挑戦する農業紳士が登場!
こんにちは~♪名越涼子です。
誰かの何気ない一言で人生がガラッと変わった・・・っていう経験、ありますか?救われた、勇気づけられた、恋に落ちた、感動した。
私もこれまでたくさんの言葉をいただき、それらはしっかりと心の宝箱に閉まってあります。落ち込んだ時にはそっとその箱を開けてドラゴンボールの仙豆を食べるがごとく言葉を味わい、あすへのエネルギーを養っているわけです。
例えば、多感なゆえにもう尖りすぎていた高校生時代の恩師の一言。
「俺は名越を見捨てないよ」
くう~~~~~~!しぇんしぇ~~~!(先生)一生ついていぎまず~~~~(涙・涙)
みたいなね。うん。言葉って本当に素敵な、偉大なコミュニケーションのカタチだと思うのです。だってその人の世界を変えちゃうことだってあるんだから。
今回登場する農業紳士も、大切な人の言葉で人生を大きく転換した人。
その言葉がなかったら・・・・私、その人に出会えていません。
すごいことです。人生って、何が起きるか分からないですね。
ということで雪積もる北海道は帯広へ行ってまいりました↓
いやっほーーーーーーーーーう!
■就農のきっかけは、恋人の一言です。
“農家にならないんだったら、結婚しない”
梶さんが就農するきっかけとなった言葉だ。
「いや~。びっくりしましたね(笑)当時恋人だった奥さんに言われたんですよ。僕は絶対農家にならないって決めてサラリーマンやっていたので、困ったなと(笑)」
優しい笑顔で話すのは、農業紳士・梶宗徳さん。
代々続く農家の家で生まれ育ったが、将来農家になるという選択肢はそもそもなかった。
「ネクタイする仕事がかっこいいって思っていましたし、父親の仕事がきつそうに見えていたんですよね。だから営業と販売の仕事をずっとしていました。けど奥さんにそう言われてしまったので・・(笑)覚悟を決めて戻ってきました」
当時、28歳だった梶さん。勤めていた会社の社長からは“うちの事業を引き継いでくれないか?”と打診もあったそうだ。その話を断り、梶さんの人生の舵を(梶だけに♡)大きくきらせた奥さんパワー。う~ん。愛の力ってすごい♥
太陽と共に生活することって人間として当たり前なのかもしれないけど、その当たり前と生きるのって案外難しい。一日浴びてた光がパソコンだった・・・なんてことがありえちゃう世の中だからこそ、自然と生きられるって贅沢なことなのだ。
「同級生と比べると10年遅れ。とにかく必死に勉強して土壌の改良をして・・・15年たってようやく畑の土の数値が健全になりました」
勉強会や会合に積極的に足を運び、学んだことを実践。
そうしてコツコツ積み重ねてきた努力が今、実を結んできた。
「やっとですね。やっと、土台が整ってきました。ここからです。今年は僕にとって大きなターニングポイントです。全国はもちろん、世界へ行きます」
そう。梶さんの本当の勝負は、まさに今から始まるのだ。
■じゃがいもは売れない。でも、コロッケは売れる。
就農して2年目。梶さんは自身の作ったじゃがいもを持って北海道物産展に出店した。
「全然売れなかったんです。出れば出るほど赤字になって、3回目の出店で100万円の貯金が無くなりました。でね、隣のコロッケ屋さんはバンバン売れてるんですよ。同じジャガイモなのに、なぜ?って。その時ですね。加工品を作ろうと思ったのは」
それから10年。梶さんが38歳の時、カフェ「ふわふわ畑」をオープンさせた。
――――ネーミングも内装も可愛らしいですね~♪
「全部奥さんの感性なんです。“笑顔と幸せ”という意味を込めて“ふわふわ”にしたい、と。奥さんはとっても感性が豊かなので彼女を信じて任せました」
――――天使ちゃんがいっぱい・・♬太陽の陽もたっぷりで本当に気持ちがいいですね。
「どういうスタイルで加工品を展開するか、という話になった時に奥さんはプレハブで作りたくないって言ったんです。うちは夫婦2人とも営業が出来る農家。だからカフェスタイルでやりたい。この目の前に広がる畑を色々な人と共有したいって。そうしてふわふわ畑が出来上がったんです」
感性豊かな奥さんのアイデアを梶さんがカタチにしていく。
お互いの得意分野を生かした農業スタイル。これって、最高のスタイルじゃないか。
梶さんの畑で採れた野菜はもちろんのこと、十勝産のものが味わえる《ふわふわ畑》この日は人気メニューの焼きカレーをいただいた。
ふは~♪素材もカレーも何もかもが美味しい!!
あぁ。北海道にきたんだなぁ。食といえば北海道だよなぁ。心からそう実感できる一品だ。
ちなみにカフェのすぐそばにはこんなフォトジェニックなスポットもあるので皆さんぜひ!
■今年から始まる。世界への第一歩
ふわふわ畑にずらりと並べられている品々。
こうしたオリジナル商品作りにも力を入れてきた。
「“食を楽しむ”というコンセプトで作りました。ただ単に農家が作った、ではなくて“こういう食のライフスタイルはどうですか?”っていう提案型にしたくて。ワインのおつまみにしたり、サラダにちょい足ししたり。北海道の新しいお土産になればいいなって」
“北海道・十勝を伝えたい”
自分たちが作ったものを通して、この大地を伝えたい。
梶さんのものづくりの根底にはそんな想いがある。
「タグの裏表紙には十勝の説明を入れています。十勝ってフロンティアスピリットがあるんですよね。自分たちが開拓してきたんだっていう気概というか。だからこの辺りの人たちってみんな“十勝を背負ってる”みたいな想いがあるんですよ。なんとかしたい、って考えているんです」
土壌改良から始まり、カフェのオープン、そしてオリジナル商品の開発。
脱サラし農家になってから、がむしゃらにただただ前を向いて突き進んできた。
「28歳の時から考えると、やっと体制が整ったって感じです。だからここからなんです。ここから自分の夢の一歩が始まるんです」
これまでの梶さんの活躍が“序章”なのだとしたら“本編”は一体どうなっていくのだろう。予想出来ない未来に、わくわくしてくる。
「1月はタイ、2月は香港、3月はベトナムに行くことが決まっています。自分の作ったものを世界にも届けるためにチャンスをつかんできます。これからはアジアの農業支援もしていきたい。世界に十勝を伝えたいんです」
梶さんの笑顔がこの日一番輝いた。
いつだってチャンスはやってくる。
そしてそれは諦めずにチャレンジし続けた人だけがつかめるものなのだ。
☆梶さんの農場K’s farmの情報はこちらをチェック☆
http://ksfarm.jp/
☆ふわふわ畑はこちらをチェック☆
http://ksfarm.thick.jp/fuwafuwabatake/
次回は、農業女子談義!農業大国・北海道のキラキラ農業女子たちに直撃!
“実際のところ、どうなの??”お楽しみに~♪
(取材・文・・・・)
名越涼子(なごし・りょうこ)
フリーアナウンサー。香港出身。
福井、愛知のテレビ局のアナウンサーを経て独立。
幼い頃見た田んぼの美しさに感動し“農”に興味を持ち始める。
農作業着ファッションショーや農業団体の発信媒体を手掛けるなど
独自の切り口で“農”を発信。
他、メディア出演や講師業、コラム執筆など多方面で精力的に活動中。