【連載企画】Diverse Hands , to Agriculture
私たち、FARM PARK PROJECTが農を気軽に楽しみ、身近に感じて、好きになるような取り組みを続ける中で出会った、同じ志を持った仲間たちのこと。彼らの活動をお伝えする連載をはじめます。目を凝らせば、こんなにも「農」への情熱を持った人たちがいることを、ぜひ知ってください。
「日本農業を革新する!!」アグレスの挑戦
みなさん、こんにちは!「農スタinカンボジア」を企画している株式会社アグレスの山浦です。
長野県野辺山高原でほうれん草を中心に栽培しているアグレスは「日本農業を革新する!!」を経営理念に、栽培拡大はもちろんのこと、若手地域農家主催の野外音楽イベントや畑を開放し農業と食を楽しんでもらう「畑でレストラン」など地域活性にも取り組んでいます。
そして、今後日本の農業全体の問題に積極的に取り組んでいくために、農業生産法人としては珍しい「企画開発部」を設置し、具体的に日本の農業の課題への取り組みがスタートしました。そのスタート事業が「農スタin カンボジア」です。
一農家が企画する農業に特化した海外スタディツアー「農スタ in カンボジア」
農スタ in カンボジアツアーは、若い農業者や農業に関心のある学生に向けた、海外へのスタディツアーです。2018年2月15日~23日までの8日間で初回モニターツアーとして、10名の多様な参加者とともにカンボジアへ渡航します。
ツアーの中では日本ではありえない、カンボジアならではの農業の現場や魅力を「視察・経験」すると同時に、発展途上国の現状を学びながらアンコールワット遺跡観光なども取り入れるなど、一般的なツアーでは体験できないコアな内容になっています。
ツアーテーマは「畑を見に行くんじゃない、人に会いに行くんだ」
このツアーでは畑で作業や技術を見るより、その環境に適応しようと挑戦する人々との交流に価値を置いています。カンボジアは農業大国ではあるものの、地方農村での効率性は低く、ほとんどが小作制度に属する貧しい農家で自給自足に近いのが現状です。また平均的な農業技術は日本と比べると格段に低く、その差を埋めるには多くの課題を乗り越えねばなりません。
では、なぜカンボジアに行くのか?
それは、これからの日本の農業に必要なものを探すためです。
日本をはじめ、ネット環境が整った先進国では、栽培の細かな技術や情報はいくらでも手に入れることができます。しかしどれだけ情報を得ることができても、農に対する課題は次々と生まれています。
アグレスは、そんな「日本農業の課題解決」が、刹那的に変化していく環境社会の中でいかに流れに乗り、臨機応変に対応していくかであると思っています。
—では、その能力はどこで養われるのか。
その答えこそ「カンボジア」にあると、僕たちは考えているのです。
日本の農業課題を解決する糸口が、カンボジアにある
日本の農業は、世界的に見ても最先端です。
一方カンボジアは、これからの可能性を秘めた国。
それこそ、日本の農業では簡単には得難い、未知の体験の宝庫です。今回のツアーでは、そこから得る「新しい価値観の発見」と、「トライ&エラーから学ぶ圧倒的な経験」の2つを参加者のみなさんに体験していただき、視野の拡大や多角的に物事を考える能力を身につけてもらいたいと思っています。
その体験が、今後日本の農業課題を解決する上で、きっと役に立つと思うのです。
農業に多様性とより多くの選択肢を
アグレスの活動をする前、私は全く農業に関心がなく、もちろん職業の選択肢にすら入ることがありませんでした。しかし、そんな私が農業と仕事が縁するきっかけになったのは、就農という形で「農」に触れたことがきっかけでした。

以前私は、カンボジアの国際支援団体で働いていました。その際に知人の紹介で、初めて「就農」というものを体験したのです。もとより体を動かすことや自然豊かな環境が好きだった私は、すぐに農業を好きになりました。そして、現場で働きながら勉強会やイベントに出て他の農家さんの話や日本の農業の現状を学ぶにつれ、感じたことがありました。
それは「農業の可能性」です。
国内外問わず、農業の新しい形に挑戦している人たちがいます。そうした人の経験(トライ&エラー)により多く触れることで、既存の形に捕らわれることのないより多くの選択肢と価値を生み出していけるきっかけになるのではないでしょうか。
僕たちアグレスの取り組み、そして今回開催する「農スタ in カンボジアツアー」を通して、一人でも多くの人たちが多様な経験値を得ることで、参加者自身の豊かな人生や、ひいては日本農業に還元する一助になれば幸いです。