日照時間が短いフィンランドの農業
国土の一部が北極圏に位置するフィンランド。独特なデザインのインテリアなどが人気であるが、同時にオーロラや白夜を楽しめる地としても有名である。
そんなフィンランドの農業事情は厳しい。夜間ほとんど日が昇ったままの白夜の時期はあるが、12月には日中太陽が昇っている時間はわずか6時間程度の極夜がやってくる。通常期でも、雪や雲に覆われた日が多いため、日照時間を成長源のひとつとする農作物の栽培は、国土の南側に限定されるのだ。そこでは、主に麦類や馬鈴薯が栽培されている。気候条件に左右されやすい葉物野菜の栽培は難しいということだろう。
そんなフィンランドだからこそ、誰もが簡単に水耕栽培を楽しめるものの開発に熱心なのかもしれない。
シンプルなデザインと、LED光源を用いた室内水耕栽培のヒット
日照時間や気温、湿度などの環境管理が要となるハーブ類を、自宅で簡単に水耕栽培できる優れものがフィンランドで生まれた。
その名は『Plantui Smart Garden(プラントゥイ スマート ガーデン)』。
『Plantui Smart Garden』は、太陽光の代わりにLED光源を照射するのだが、ただ光の波長を太陽に近付けただけではない。ハーブの成長をセンサーで探知し、自動でLED光源の調整を行っているのだ。
さらに驚くべき点は、自家水耕栽培で失敗しがちな水の世話も自動供給する。加えて、酸素や栄養の調整も行うのだから、失敗しようがないだろう。
専用種子をセットしキッチンに置くだけで、自家製ハーブが収穫できるとは面白い。
ギフトにも喜ばれること間違いなし。日本でも購入可能
ガーデニング人気から、最近ではハーブ栽培もちょっとしたブームになっているが、気づくと枯らしてしまうという声も多い。水加減が難しく、根腐れを起こすこともしばしば。
そんな経験やクチコミから、水耕栽培へ手が出ないひともいるはずだ。
しかし、『Plantui Smart Garden』は誰でも簡単に栽培、収穫ができる。
専用種をセットしてから、おおむね2〜3週間で新鮮なハーブを食すことが可能なのだ。
この『Plantui Smart Garden』は、実は日本でもインテリアショップや通信販売での購入が可能だ。価格は51,840円と少々値は張るが、専用種子は24種類と豊富で、本格的なライナップである。日本の食卓ではまだ珍しいハーブも取り揃えられているため、ぜひ全種の栽培に挑戦してみてほしい。
フィンランドは農作物の栽培に厳しい反面、漁業が盛んである。
料理も魚や肉、馬鈴薯をふんだんに使用したものが多いが、同時に独特の臭いを消すために、ハーブが好んで用いられる。
「好き」が高じて開発された『Plantui Smart Garden』は、日本人の新たな水耕栽培の入り口になるのではないだろうか。