⼟に触れ、作物を育てることだけが「農」ではなく、農をライトに再解釈し、別の⾓度から⾒直したら、どんな「多⾯的価値」が⽣まれるのか。
本トークセッションでは、モデレーターに恵⽐寿新聞のタカハシケンジ⽒。
⽇本の「農」を取り巻く現状に精通する、農林⽔産省⼤⾂官房 松本純⼦⽒。
放送作家として「農×エンターテインメント」を⼿がける野呂エイシロウ⽒。
LOVEGREEN を運営し、「農×暮らし」の情報を発信する⽯塚秀彦⽒の4名を迎え、農=⽣産ではない、農の多⾯的価値について、トークを繰り広げました。
今日はその模様の後半を、お届けします。
※前編はこちら
タカハシ:
次に、⽯塚さんのLOVEGREEN。僕も朝から使わせて頂いているんですけれども、これもすごい。詳しく、教えて下さい。
⽯塚:
アプリは基本的にはインスタグラムが結構近いのになるんですけど、⾃分がやっぱり⾃分が栽培しているものを記録して、共有するみたいものができたらわかりやすいのかなと思ったので作りました。
LOVEGREEN でアプリで検索するともう、ダウンロードできます。僕が投稿したやつで、もう「いいね」がたくさんついています。みんな⾒てくれるもんなんですね、ありがとうございます。
あとはもう⼀つ、⾃⼰紹介で触れなかったことで話すと、Facebook の⽅も今いいね数で12 万くらいありまして、結構頑張ってやっています。ただ受け取るだけじゃなくてどんな趣味でもそうだと思うんですれども、⾃分がハマってくると⼈にみせたくなったりとか、共感してみたくなったりとかそういったコミュニケーションの取り⽅っていうのがやっぱりあるかなっていう。なので、そういったアプリの⽅も挑戦してみよう、という経緯でやっております。
あと、最近嬉しかったのは、ルミネの池袋さんの⽅から聞いた話で、単⾝者の⽅が結構ファンでいてくださると伺ったことですね。
野呂:
ちょっとわからないんですけど、ルミネさんって⼥の⼦が洋服を買うところじゃないですか。野菜に興味があるんですか。
⽯塚:
実はですね、野菜じゃなくて園芸の⽅なんです。今ってまずファッションのトレンドがまずボタニカル。それから蓮柄のワンピースとかスカートとか増えているんですよね。
そうやって運営のところでファッションだったりインテリアっていうところがあって、最近「農」っていうところでいろいろな形で取り⼊れられているんです。100 ショップとか3コインズさんもそうですけど、簡単に育てられるハーブと種とか結構あったりもして。
ルミネさんでも、植物を実際に販売している雑貨屋さんも増えているんですね。なので今は、トレンドに終わらせないのがものすごく重要なことなんじゃないのかなって思ってます。
やっぱり「流⾏っているからやる」っていうと、すたれていってしまうというか。やっぱりそのトレンドじゃなくてこのカルチャーにしていく必要があるのかなぁと。
タカハシ:
お⼀⼈ずつ、やっぱり、そのなんていうんでしょうね、テーマは違うんですけれども、トレンドでおわらせない、カルチャーにして残るにはどういう⾃分にできることがあるのかなと、というところをお⼀⼈ずつ伺いたいと思います。
松本:
トレンドで終わらせないっていうのは、国も同じ考えです。たとえばコメの消費量をあげたいと「ライスミルク」が流⾏ったときも、流⾏りすぎるとだめ、というのが重要で。流⾏りすぎると飽きちゃうんです。だから、どれだけ地道に継続していくかが⼤事なんですよね。
だからもっと根底に何かがないと、⼈ってすぐに飽きちゃうので、もっと⾰新てきなものをつめていかなきゃいけないなぁと思っています。
⾷って伝え⽅が⼤事なので、私もブログとかでは必ず⾒せるような写真と、誰にでもわかる⾔葉で伝えるように⼼掛けています。というのも、やっぱり⾷ってライフスタイルのすべてだと思っているんです。ファッションとか、⾳楽とか、デザインとか、⾷は全部と関わっていることなので、興味がなかったり、すぐに飽きちゃったりするのはだめなんです。
⾃分のライフスタイルとかけ離れていると感じたら、離れてしまう。だから伝え⽅っていうのはすごく⼤事で私もブログとかでストーリーとともに伝えていくように⼼がけています。
タカハシ:
では、野呂さん、お願いします。
野呂:
飽きないっていう例で⾔うと、「納⾖」とかって21 世紀になったら無くなるのかなって思ってたんですよ。いわゆる昔からある古い⾷品ってことなんですけどね。⽇本酒とか、⾖腐とか。みんな飲むようになったサプリとか。21 世紀になったら、なくなるのかなって思ったけど、なくならなかったじゃないですか。
何が⼤事かっていうと、「ずっと⽬に⾒える」っていうことが⼤事なんじゃないかなと。ちょっと家で作ってみるとか、家に農園を作ってみるとか、これは半分シャレで⾔ってたんですけど、街中にみんなでゲリラ的に種植えようとか。
もっと⾝近に「農」が⼊ってくると、もうちょっとおいしいものを⾷べようだとか、さらにもっと変わったものがあるんじゃないかとか、そういう発想が⽣まれると思います。たぶん⾷欲ってずっとなくならないと思うから。だから⾝近に⾒える機会が増えるといいなって思います。
タカハシ:
ありがとうございます。では、最後に⽯塚さん。
⽯塚:
情報発信としては超流というところで、それを「トレンド」として終わらせないっていうことですかね。僕⾃⾝がもともとはインターネット広告の会社にいたんです。
だからか、⼤量にテレビを使って「こういう⾵なライフスタイルがいいんだよ」と伝えるのはとっくに終わっていると思うことが多くて。影響はもちろんあるんですけれども、インプットされた後に、それを「仲間との出会いの場」に取り⼊れたりという、組織づくり、同線づくりっていうのが僕らは重要だと考えていて。それで⽣まれたのが、弊社のサービスです。
ウェブで検索されて、着地するのがLOVEGREEN。その⼀⽅で、フリーペーパーは「グリーンが好きな⽅だったら週に⼀回以上お店に⾏く」というデータが増えているので、そこに無料で置いちゃえばいいじゃんっていう発想です。レピュテーションって⾔ってるんですけども体験、やっぱり今体験型がすごい重要視されているなと。他にもインスタジェニックな写真をアーカイブ残しておくこともそうですね。
同線づくりと順番を間違えずにそのプロダクトとかファクトに合わせてやっていくっていうのが僕は重要なんじゃないかなって思います。
タカハシ:
なるほど。やっぱり関わる⼈を増やすためのことですよね。なるほどなぁ、みなさん「農」に関わる⼈を増やすために、多⾯的な農の取り組みをしている、ということが⾮常によく分かりました。ありがとうございました。