農業王国・十勝の現役農業女子と緊急女子会!
土にまみれてダースベーダー?!4tダンプも小麦30キロも楽々?!
育児も農業も全力投球な彼女たちに聞く、農業女子の本音とは!

 

こんにちは♪名越涼子です。
農業の取材をしていると「なんで農業なの?」ってよく聞かれます。
そこには色々な想いがあるのだけど、大きなきっかけは北海道は十勝の芽室町で出会ったある農家さんです。芽室町はスイートコーンの生産量・日本一を誇る肥沃な大地で、採れたてのスイートコーンは涙が出るほど美味しいのです!

 

 

「平均年齢67歳」「過疎化」「後継者不足」「耕作放棄地の増加」
農業って言うとそういったキーワードが飛び交っていて、正直、前向きな産業に思えなかったんですね。だからこそ何とかしなきゃ!なんて感じていたわけなのですが。そんな私の中の“農業観”をポジティブに打ち破ってくれたのが、芽室町の13軒の農家からなる《なまら十勝野》だったんです。

 

(なまら十勝野の代表の記事はこちら→http://www.farmpark-project.jp/farmboys/909/

 

「なんてこったい・・・農家さんってこんなに若くて情熱的で、なんて輝いているんだ!こうした現実もあることが世に伝わっていないのだとしたら伝えなきゃ!」

 

そんなことが、農業コラムの始まりだったのです。

 

で!!!今回はですね、その“なまら十勝野”の農業女子の皆さんにお集まりいただきまして、農業女子会を開催しました~♪
バリバリの現役農業女子たちは日々どんなことを考え、どんなことを感じながら農業と向き合っているのか?

 

そ・れ・で・は

かんぱ~~~~い♡

 

 

《農家の奥さんって、実際どうなの?》

名越「きょうは皆さん、よろしくお願い致します!やっと実現できましたね~♪とっても嬉しいです!ざっくばらんに色々お話伺っていこうと思います・・・まず、元々ご実家が農家さんなのは末吉さん、だけですかね?」

 

末吉「はい!でも私、農家になる前は帯広で幼稚園の先生をしていたんです」
名越「え~!そうだったんですね!」

 

小山「うちはサラリーマン家庭で。私はOLをしていました」
堀井「私は農協の職員でした!」
竹内「帯広市役所関連の農業技術センターで事務をしていました」
白濱「自営業でした」

 

名越「みなさん、それぞれですね~」

 

小山「まさか、農家の嫁になるなんて想像してなかったなぁ・・(笑)」
竹内「うんうん。本当に(笑)」

 

 

名越「実際に農家になってみてびっくりしたことやギャップってあります?」

 

小山「あります!妊娠中に4tダンプの運転の練習させられたんです。旦那さんに。なんで今なの?って(笑)」
名越「え~!(笑)ものすごくハードですね(笑)!」
竹内「妊娠中もお母さん世代ってバリバリ働いていたからだと思うんですよ」
小山「そうそう。旦那さんのお母さんが機械に乗れる人だったからそれが当たり前だったみたいで」

 

竹内「家によって機械は全部旦那さんの仕事だったりするから一概にみんなそう、とは言えないんですけどね」
末吉「うちの場合、私が機械の免許取ったら全部やって~!っていう旦那さんだから“よろしく~”って(笑)」

 

 

名越「すごいなぁ・・・農作業用の機械って大きいし育てる作物によっても違うから、覚えるのも大変そうです」

 

竹内「家族だからか、操作方法をざっくりとしか教えてもらってなくて。一度聞いたのに分からなくなっちゃって電話かけて聞いて・・・の繰り返しでした(笑)」

 

 

《畑に出たら、農家同士》

 名越「なまら十勝野のすごいところって男女の役割分担はあるにせよ、全員“農家”として参加しているところだと思うんですよね。それぞれが農業に対して想いを持っているというか。だからこその衝突、なんてあるんですか?」

 

小山「えっと・・・毎年同じことで喧嘩します(笑)商品を出すときの基準とかで」
名越「毎年!(笑)」
竹内「仕事のやり方で結構衝突するなぁ」
堀井「女性は細かいところまで気になるんですよね。男性はそこまでしないでいいんじゃないかって。そういったことでの言い合い。まぁ、結局こっちが勝手に怒ってるだけですけど(笑)

 

 

小山「畑に出たらもう、農家と農家の対決ですから(笑)」
名越「なるほど(笑)!それだけお互い真剣に農業に向き合ってるんですね。農作業もお互いにバリバリされてますもんね」

 

小山「いや、本当にギャグみたいに土まみれになるんですよ(笑)」
堀井「マスクしてるけどダースベーダーみたいになるよね(笑)」

 

名越「わ~!それは大変だ(笑)」
竹内「そう!マスクしてないとほこりとか花粉とか入ってきて夜眠れなくなるんですよね」
小山「目から泥出てくることもあるしね」

 

名越「えー!!!」
小山「あと、一番暑い時期がきついよね」
竹内「夏場、本当に倒れちゃうって思いました。そしたら旦那さんに扇風機ついてる服を買うか打診されて(笑)」

 

名越「いや~・・・皆さん、たくましい!」
竹内「結婚した当初は20キロの袋を持てなくて旦那さんに手伝ってもらってたのに、今は膝に乗っけてすいすいって」
名越「軽々、と(笑)」
小山「意外と重いものが多いんですよね。小麦30キロ、とかね」
末吉「うちでは男の人がやる作業を小山さんはひょいってやってるんです」
小山「ゴボウ10キロはもうひょいっだね(笑)」

 

 

名越「なまら十勝野のSNSを見ていても充実している様子が伝わってきます」

 

小山「最初は農業のやり方が分からなかったけど、今はどんどん楽しくなってきてますね」
竹内「そう!初めは農業も育児もやらなきゃいけないことが沢山あるのに出来ない自分が悔しくて。育児も落ち着いて、作業も分かるようになってくると自分で考えて出来るから楽しいんです」

 

小山「出来た時の達成感もあるしね」
末吉「やらされてる感とやってる感の違いですよね。自分でやってるからこそ、の楽しさですよね」

 

 

《農家って、贅沢な環境なんです》

名越「農家になって良かった~♪って感じる時ってどんな時でしょう?」

 

末吉「子どもに自分の姿を見せられることかなぁ」
堀井「そうそう。子どもに対して、のところって大きい。自分次第で子どもの行事に参加できるように予定を組めるしね」
竹内「旦那さんが対等に仕事を任せてくれるところかな。失敗してもいいからやってみようって。で、旦那さんも農業を楽しそうにやっていて子どもに話すんですよ。“農業は特別じゃなくてこんなに楽しんだよ”って」

 

 

名越「子どもって親の姿をしっかり見てますもんね」
竹内「そうなんです。それで子どもも農家になりたいって言ってくれるから幸せだなぁって」
堀井「子ども達も農業に誇りを持ってくれてるもんね」

 

名越「自分の子どものなりたい姿になれてるって嬉しいことですよね」
末吉「あと、子ども達が美味しい野菜を食べたいって言ってくれることも嬉しいなぁ」
小山「うちの子どもは土地が広いから大きい声出せるって喜んでる(笑)みんなのびのび育ってるよね」
堀井「本当、贅沢な環境だよね」
小山「町の中に住んでる子がよく遊びに来るんですよ。同じ十勝と言えどもちょっと離れてると全然環境が違うから、畑が楽しいみたいで。特にBBQは喜んでくれます」

 

名越「採れたての野菜でBBQ・・!!想像しただけでも幸せな気持ちになりますもん(笑)大人にとっても、子どもにとっても最高の環境なんですね」

 

 

名越「白濱さんはなまら十勝野で事務、広報、経理・・・と幅広くサポートされてますよね。まさに縁の下の力持ち!」
小山「本当にみんな頼ってます(笑)」
白濱「私自身、農業に携わったのが初めてだったので最初なじめるか心配だったんですけど・・・大丈夫でした(笑)」

 

名越「実際に農家さんに深く関わってみて印象変わったことってありますか?」
白濱「たくさんありますねー!例えば農家さんを全く知らなかった頃は、冬はどうしているんだろう?って思ってたんですけど実際冬って忙しいんですよ。そんなことも驚きでした」
小山「去年は大晦日にイモの箱詰めしてたしね」

 

 

名越「働く環境もだいぶ変わりましたよね」
白濱「そうですね。昔は会社の中に缶詰の生活でしたけど、今は目の前に畑があって、いつでも人の笑い声が聞こえて。あぁ、楽しんでやってるなって。」
名越「自然はもちろん、人の体温も感じられる職場・・それも貴重なことですね」

 

小山「あとは・・・しょっちゅう感動しています(笑)長芋の種って長芋なんですけど、植えてちょっとしか経ってないのにもう立派に成長していた時とか」
堀井「うんうん。うちもパプリカが綺麗に色付いた時、嬉しいもんな~」

 

末吉「うちは働きに来てる子が生き生きしていることかな。自分達でも役に立てることあるんだなって自信につながりました」

 

竹内「うちもパートさんが来てくれてるんですけど“なんでもやります”って言ってくれて。農家の仕事って収獲以外嫌なのかなって思ってたから驚きました」
小山「確かにそれあるよね。みんな農家の仕事って3Kって感じてるのかなって」
名越「農家さんが思ってるよりも、意外とみんなそうじゃないかもしれないですね」

 

 

名越「さ~!たっぷりお話を伺ってきました・・・うーん時間が足りない!(笑)最後に、皆さんが今後やりたいことを教えてください」

 

小山「私は生姜を作ってみたいなぁ。興味本位ですけど(笑)」
堀井「自慢のパプリカのレシピをもっと作りたいし、教えたい!」

 

末吉「年間通しての雇用、ですね。今は忙しい時期だけだから。農業をやりたい人っていっぱいいるんだなって知って。そういう人と一緒に仕事したいです」
竹内「大玉トマトのハウスがあるんですけど、立派な大玉トマトを作れるようになりたいです!まだまだ上手く作れなくて・・頑張ります!」

 

名越「すごい・・・!みなさん、本当に農業が好きなんですね。なんでなまら十勝野の野菜が美味しいのか、こうした想いが野菜に伝わってるからなんですね。きょう改めて感じました。みなさん、ありがとうございました!」

 

何かに夢中になってる人って、本当に素敵な顔をしている。
そして素敵な人の周りには、素敵な人が集まる。
どんな仕事でも、どんな環境でも、夢中になってやってみること。
自分で考えて、感じて、やってみること。
彼女たちの笑顔の裏側にある“芯の強さ”は、彼女たちがチャレンジし続けてつかみとったもの。

日本の農業を支える農業女子たちは強くて、たくましくて、眩しい。

 

名越「さて、インタビューは終わりとして・・・今度はもっとディープな女子会へとうつりましょうか(笑)」

 

 

☆なまら十勝野の情報はこちら☆
https://namaratokachiyashop.secure.force.com/Site_TopMenu

 ☆今回お世話になった「あずまや心菜」の情報はこちら☆
https://tabelog.com/hokkaido/A0111/A011102/1025376/

 

次回は、都内で話題の「旬八青果店」や「旬八キッチン」を展開するアグリゲートが登場!農業ベンチャーのあくなき挑戦と怒涛のストーリーを直撃インタビュー!

 

(取材・文・撮影・イラスト)

名越涼子(なごし・りょうこ)

フリーアナウンサー。香港出身。
福井、愛知のテレビ局のアナウンサーを経て独立。
幼い頃見た田んぼの美しさに感動し“農”に興味を持ち始める。
農作業着ファッションショーや農業団体の発信媒体を手掛けるなど
独自の切り口で“農”を発信。
他、メディア出演や講師業、コラム執筆など多方面で精力的に活動中。