フリーアナウンサー名越涼子の「私、ときめく、農業男子」vol.9

- 農業男子 vol.9 -
“なんやこれ!?めっちゃ甘いやんか!”
野菜が人生を変えた?!縁もゆかりもない土地で新規就農!
農業にすべてを注ぎ込む農業男子

「こんなにも夢中になれることにようやく出会えたんです」
キラキラと瞳を輝かせながら話す、農業男子。
縁もゆかりもない土地で就農して、今年で10年になる。

一体、何がそんなに彼を夢中にさせるのか。
「上手くいかなさ過ぎて(笑)去年良かったのに、なんで今年駄目なんだってなると“まだ
まだ畑を極めてない”ってますますのめり込むんです」
彼の名は、「ゆたかマン」
農業にすべてを注ぎ込むゆたかマンの物語の、はじまり、はじまり~♪

 

■《農業》だから、打ち込めた

バンダナ姿がトレードマークの農業男子「ゆかたマン」こと中村豊さん。
出身は石川県。縁あって10年前、滋賀県に移住。3年間地元の農園で働き、独立。
「ゆたかマンの農園」を開いて今年で7年目になる。

 

「ゆたかマン」と言えば、このロゴマーク。

「ロゴをつけるようになってからめっちゃ売れるようになったんです。イベントの出店でも顔も覚えてもらえるようになって」

――――この字は自分で書かれたんですか?
「そうなんです。珍しい野菜を作っているのでアピールするためにPOPを作り始めて。そこから書道にはまりました」

―――――ん?包丁とぎ?!(笑)
「農家になる前はキッチンで働いていたんですけど、その時に身に着けた技です(笑)イベント出店の時にやってるんですけど思っていたよりも反響が大きくて驚きました(笑)」

――――器用なんですね!
「いや逆です。人より覚えるのに2~3倍かかるんです。だからこそ、これや!って思ったことは納得いくまでずーーーーっとやり続ける。そうやって覚えていったんです」
夢中になったことは、とことんやってみる。それがゆたかマン。
そんなゆたかマンの中で群をぬいて打ち込めたのが《農業》なのだ。
そもそも、きっかけは何だったのだろうか。

 

■なんやこれ!めっちゃ甘いやんか!

就農する前までは飲食店のキッチンで働いていたというゆたかマン。
農業に興味を持ったきっかけは、驚くほど“ひょんなこと”だった。
「料理の仕込みで湯がいたホウレン草を味見したんです。そしたら“なんやこれ!めっちゃ甘いやんか!”って驚いて。冬場のホウレン草だったんで甘みが強かったんですよね。野菜って季節によってこんなに味が変わるんだなって。」
―――――それで農家になろうと??
「そう、自分でも美味しい野菜を作ってみたいなって思って。それで農業の本を色々読んでいるうちに“自然農法”に興味を持って。野菜作りを突き詰めると最終的に辿りつくのはここなのかなって思って、よしやってみよう!と決めました。」

――――思い切った決断ですね!
「いや、だって味付けするのもったいないじゃないですか。調味料なくても美味しい、って感じられる野菜が出来たらいいなって」

思いがけない出来事が、人生を大きく変えるきっかけになる。

■あえて“耕さない”という選択

手を加えるのは、必要最低限。
ゆたかマンは“耕さない”という自然農法にチャレンジしている。
「最初に肥料使って徐々に減らしていくのが無難なんでしょうけど、上手くいかなかった時に肥料に頼ってしまいそうで。だったら最初から無しでいこうと。かなりの冒険でしたけど(笑)」
――――自然農法は昔からあったんですか?
「自然農法って農業の歴史からしたら新しい技術だと思うんです。昔から耕す道具があってそれを使ってきた。だから、“耕さない”のは新しいんです」
――――“耕さない”と畑や野菜はどうなるんですか?
「最初のうちはひ弱な野菜しか出来なかったんですけど、年々野菜の姿も生える草も変わっていくんです。耕すと不思議と土が消耗して、肥料無しでは野菜が出来なくなるんです。」

 

「そうやって土がどんどん肥えていくと野菜の変化が速くなっていく。土が肥えた畑なら何でも美味しくできるんです!」

こうやって畑を育てて、畑を極めたい。どこ行っても美味しい野菜が作れるぞ!ってね。」
にこにこ笑顔のゆたかマンが、きりっと真剣になった瞬間だった。

■畑を極める、野菜の伝道師

ゆたかマンの畑には珍しい野菜がたくさん栽培されている。

「これはブラジルのきゅうり。僕のブログ見た人が種をくれることもあって自然と珍しい野菜が僕のところに集まってくるんです(笑)」
――――野菜の伝道師ですね(笑)
「美味しくて知られていない野菜ってたくさんあるんです。自分の中だけで閉まっておくのがもったいないなって。僕が作ることによって知ってくれたら嬉しいなって思うから、毎年新しい野菜作りにチャレンジしています」

「50種類の野菜を育てるなら、最低50通りのやり方がある。覚えることも、試す技術も色々ある。そう考えると農業には一生飽きることないんでしょうね」
“これだ!”と思える一生ものに出会えたのは
見逃してしまいそうな小さなきっかけに、ちゃんと気付いたから。
そして何より“ココロのわくわく”に従って行動し続けたからだ。
チャンスはいつだって見つけられる。
ゆたかマンが教えてくれたことだ。


☆ゆたかマンの情報はこちらでチェック☆
http://bokkyun.blog55.fc2.com/

☆次回は夏休み特別編!イケメンアーバンファーマーが登場~♪

(取材・文・撮影・イラスト 名越涼子)

名越涼子(なごし・りょうこ)
フリーアナウンサー。香港出身。
福井、愛知のテレビ局のアナウンサーを経て独立。
幼い頃見た田んぼの美しさに感動し“農”に興味を持ち始める。
農作業着ファッションショーや農業団体の発信媒体を手掛けるなど
独自の切り口で“農”を発信。
他、メディア出演や講師業、コラム執筆など多方面で精力的に活動中。

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